刀剣乱舞元ユーザーの記録

刀種変更で離れた刀剣乱舞元ユーザーの見た、盗用発覚後の刀剣乱舞界隈。

究極の選択

私は、盗用に対してものすごい抵抗があったにも関わらず、咄嗟にやめる事に躊躇しました。

刀種変更があったから、刀剣乱舞をやめることができました。

逆に言うと、中毒性と依存性のとても強いゲームだったから、そこまでこだわったのかもしれません。

今考えると怖い気がします。

 

そして、正にやめるかやめないか、息をひそめて続けるか、盗用に対して問題視する声を上げるか、どっちかしかない究極の選択だったと思います。

でも、最初から選択肢は一つでした。

こうなるしかありませんでした。

 

刀剣乱舞に手を出さなければ、こうして、嫌な事を言い続け、辛い事を、悲しい事を見続ける事もなかったんだなあと思って、本当に疲れてしまう事もあります。

 

でも、本当に刀剣乱舞に手を出さないだけで、無関係でいられたのかな、と考えると、そんな事もないような気もします。

存在を全く知らなかったのならともかく、名前は知ってたし、好意的に見ていたし、やってる人も周囲にけっこういたし、いずれ、何らかの形で関わる事になっていたのだろうと思います。

何より、私は歴史好きなオタクなので歴史にも関わるやらかしをしたゲームを知らないままでいるよりは、こうして問題を知って追いつづける方が良かったと思っています。

 

ただ、この2択しかない事に苦しんでる人も多いと思います。

あの異常な依存性と中毒性のあるゲームであるからこそ、本当に悲劇以外の何物でもなく、一番いいのは一刻も早くゲームが配信終了してくれる事だろうと思うのです。

配信終了しても、本当にお好きな方だけは残るだろうと思いますし…そんな方にとっては、そうして細々と愛し続ける事が、一番の幸せなのではないだろうか、とも思います。

 

 

賢い猫

賢い猫は「ほら、あっち!」と指をさすと、指のさした先を見るそうです。

 

でも私の飼っていた猫たちは、大体指の方に気をとられて、指そのものを見つめたりじゃれついたりしてきました。

「そうじゃなくて、あっち!」と言っても指にちょっかい出してきて結局おやつを食べ損ねたり虫を捕まえ損ねたりするわけですが、猫ならそれもかわいいものです。

 

でも、人間なら…

 

あっちが危ないよ、これは悪い事だよ、と言ってる人そのものに気をとられているうち、本当に危ない事になったり、本当に犯罪に巻き込まれたりするかもしれません。

指そのものでなく、指さす先が本質なのです。

 

賢い猫のようでありたいです。

どうか刀剣乱舞とのコラボは思いとどまってほしい

この記事には、私見が多く入っています。

あまり公平な記事とは言えないかも知れないことをお断りしておきます。

 

刀剣乱舞とコラボする企業や、団体などが今も絶えません。

 

企業に関しては、版権買っちゃったから仕方なくやってるんだろうと思われます。

個人的に、好きな出版社もアンソロ出しちゃって大変悔しい思いをしていますが、好きな作品をたくさん出版してる会社の本を「爆死しろ」と願わなければならないのは地獄です。

版権買ってアンソロ出すのはいいのです。配信当初から話題になっていた作品だったし、多くの企業が飛びついたものと思われます。

でも、刀剣乱舞にはサービス途中で盗用が発覚しております。

これは版権を買ってしまった企業にとっても背信行為であり、企業もまた、被害者と言えるかもしれません。

…本当に仕方なくやってる場合はですが。

 

もっと辛いのが、地方の観光地や博物館、美術館、神社仏閣などのコラボ、便乗です。

個人的にはブームに便乗はおおありで、ゲームやアニメなどのブームはどんどん利用して行って欲しいと思うのですが、刀剣乱舞は「人気である」事を宣伝するのに力を入れているようで、それを見て「自分のところに関係ありそうだからのっかってみよう」と、何も知らない方々に思わせるのが悪質です。

 

その方たちは盗用の事を知っているのでしょうか。

 

この期に及んで新規でゲームをはじめる方もおられる事を思うと、ゲームの事など知らないで「人気がある」という情報だけで便乗してしまう団体も多いと思います。刀剣乱舞は自社が犯した盗用の事を周知せず、謝罪したかも明らかにせず、今もサービスを続けています。

本来なら、名前を使われた刀の所有者であるなら尚更、長きにわたって刀剣を守り、管理、維持し続けてきた事への敬意と、恩恵があるべきなのです。

でもこれでは、盗用ゲームにコラボ、便乗したという事実だけが残ってしまいます。

 

私が史跡関係、文化財を保有する施設などに、ゲームやアニメに便乗して利用して欲しいと思うのは、そこでお互いにとって一生の出会いがあるかもしれないと思うからです。

刀剣はもちろん、史跡や文化財は、国や公共団体の保護を受けているものもありますが、大抵が地元や個人の方が大切に守ってこられたもので、観光地や博物館、美術館で保管、展示しているものは見に行く事で、そしてまた繰り返し足を運ぶ事で支える事ができるものと思っています。

コラボなどでの訪問者は大抵は、はじめて博物館や史跡に訪れて、マナーもままならない方ばかりでしょう。

マナーの悪いまま、それっきりで終わる方が大半かもしれません。

 

でも、もしかしたらその「素質」のある人が、それまではゲームで興味が出たから、と軽い気持ちで見に行っても、そこで運命の出会いをして、そのものを支えてゆく一人になるかもしれない、そんな可能性があると思うのです。

そうやって、史跡や貴重な文化財を守って行くことになるなら、アニメやゲームなどのコンテンツと共存共栄の素晴らしい関係を築いてゆけると思うからです。

 

でも刀剣乱舞のコラボでは、少なくとも私は、どんなに素晴らしい展示でも、足を運ぶのに躊躇してしまいます。

現在の刀剣乱舞ユーザーは、盗用という他人の権利の侵害を許容してる方々であると理解するしかなく、また盗用に対してちゃんとした対応をしたとは言いがたい運営に、ログインをやめて呼びかけようとした心あるユーザーの声に耳を傾けなかった人ばかりです。(そう思うしかないのです。)

今、刀剣乱舞のコラボで喜んで出向かれるのはそういう方が大半だと思います。

心ある、歴史や刀剣が本当に好きな人ほど、今は遠くで息をひそめている感じがします。

 

私の偏見にすぎないかもしれませんが、目先の楽しみの為に、同じゲームの好きな心ある友人の声にさえ耳を傾けなかった人たちに、文化財を守り発展させてゆく可能性を見出す事ができません。大きなリスクを背負ってまでコラボする価値があるとは思えないのです。

 

どうか目に付きやすい情報でなく、そのコンテンツがコラボするに相応しいものかよく調べて欲しいです。

こんな事で本当に好きになれる可能性のある方が距離を置くことになったら悲しい事だしお互いにとって不利益です。

 

でも何よりも悪いのは、その「人気である」という信頼を裏切る、刀剣乱舞というコンテンツなのです。そこは、「私たち」が間違えないようにしたいところではあります。

 

蛇足ではありますが、どんなコンテンツでも、コラボの際は、必要以上に「こちら」に寄せなくていいので、どうかご自分達の守り愛してきたものを堂々とアピールして欲しいです。

そうする事で、そのものを本当に愛して足を運んでくれる方に多く出会えると思うのです。

 

ゲームのコンセプトとキャラは今も好き

タイトル通りですが、コンセプトとキャラは今も好きなのです。

コンセプトとキャラは、個人的にはとても良かったとは思いますが、盗用を抜きにしてもゲームとしてはどうかなと思える点も多かったです。

 

とりあえず盗用をさておいて、好きだったところを挙げておきます。

 

まず、恋愛要素のない、男性キャラクターとプレイできるゲームだった事。

私は乙女ゲーが苦手なので、そういうゲームはコンシューマーでもありそうでなかなかないので、そこの視点はいいと思いました。

 

あとはゆるいゲームシステム。

脳死クリックゲーと言われてますし事実その通りなのですが、クリックするだけなので他の作業と平行してできて、もはやBGM代わりでした。仕事前に遠征に出して、仕事が終わって出迎えたりするのが毎日の楽しみでした。

ただ、改善の余地はまだまだまだまだあり、決して快適なシステムだったとは言えません。

 

でもそれも、盗用がなければの事で…。

あるいはちゃんとした経過報告と謝罪があって、一旦白紙に戻してすべてクリーンになって戻ってきてくれたなら、もしそうしてくれていたなら、いつまででも待てました。

もし本当に、そうしてくれてたなら、どんなに良かったかと思います。

 

 

 

 

 

 

はかり知れない風評被害

私は刀剣乱舞というゲームそのものを嫌いになってやめたわけではありません。

むしろ、やめる直前まで応援していました。

 

7月10日のお詫びの記事で、何があったかよく分からないし、全部新人のせいという文言にひっかかりまくっていたけど、とりあえずサービスが終わらなくて良かったと思っていました。

自分自身も、苦労して集め育てた刀剣男士たちにも愛着がありましたし、忙しい毎日の中、ゆるくできるゲームとして長く続けたかったし、何より、このゲームをきっかけに、刀剣や歴史への興味や世界が広がった気がしたし、博物館などに出向く機会が増えていたので、そういう良い影響があるコンテンツなら、長く続いて欲しいと思っていたのもあります。

 

でもそれは、刀剣乱舞が「いいもの」である事が前提でした。

サービスが続くのなら、問題のない「いいもの」なのだろうという安心感がありました。

 

私は盗用問題について詳しく知ったのは刀種変更の時でした。

どんなコンテンツでもネタバレが嫌いで、ゲームでも「やる」と決めたものはほぼ前知識なしでいつも始めたい性質なので、それまでは、このゲームに関する検索もほとんどした事がなかったのです。刀種変更で逆上して、そこではじめて他の方の意見を見てみたいとツイッター検索してみたのが盗用の詳細を知ったきっかけでした。

 

しかしトレパクについては、何も知らなかったわけではありません。

脇差キャラのデザパク疑惑はちょっと目にした事があって、真偽を確かめるのに検索してみて、個人的には言いがかりレベルだと思ったので、心底ホッとしたものでした。

 

それだけに、洒落にならない数々の盗用発覚には、本当に気が遠くなりました。

自分の楽しみもあるけれど、ゲームで人気が出たからと刀剣の展示を行ってくれた博物館、美術館、コラボで盛り上がってゆけたらとはりきってくれてた地方の方々や伝統産業の関係者の方々の事を思い、このゲームを応援する事で、そういう方たちにも恩恵があるといいなと思っていた事が、すべて、音を立てて崩れて行く気がしました。

どうするんだこれ、どう責任取るんだ、取り返しつかないじゃないか、と。

悪い夢を見ているようでした。

 

正直に言って、知らないふりをして応援してゆきたい気持ちもありました。何より自分の楽しみでもありましたから。刀種変更という後付の改変が、私にとってはそれ以上ない地雷で、もはや楽しみでもなくなったのでやめただけの事で、それが今でも後ろめたいです。

それがなければ、息をひそめていまだログインし続けていたかもしれないです。

ただ、そんなゲームの世界観やユーザーなど全く大切に思っていない事が伝わる改変をした公式には、たとえ刀種変更がなくても、もっと別の形で愛想をつかす事になっていたとは思います。

実際その後もいろんな問題がありますし…。

 

システムにも盗用があった事をこの時知り、何故手を出してしまったのだろうと、本当に情けなかったです。ブラウザゲームなどはふだん全くやらないので、余計でした。

刀剣乱舞には、そういうユーザーはおそらく多かったと思います。

ブラウザゲーというものに、新しい顧客を引き入れたのはいいけれど、まともな人は逃げ出したし、もう二度とソシャゲやブラウザゲーなどやるものかという決意をした私のような人間もいると思います。

それらすべてに盗用があると思っているわけではなく、精魂こめて作られてる良作の方が多い事は理解しています。

しかし、私のような知識のない者に、それを見極める事は多分できないから、極力手を出さないで置こうとおもってしまうのです。もう間違えたくないのです。

 

やらかしてしまった刀剣乱舞がいまだ存在する事は、それだけで周囲に様々な二次被害を出していると感じます。二次被害者と言える方々には、本来恩恵を受けるべきだった方がたくさんおられるのが本当に申し訳なくやるせないです。

 

 

 

 

この目で見たものを

私は自分の言葉で誰かの心を変えられるとは思っておりません。

ただ、自分の見たありのままを、自分の心が感じる真実を書き留めておこうとこのブログをはじめました。

 こんな事を思ってる元ユーザーがいたんだ、という記録を残したい、それだけなのです。

 

他の人とは違う風景が見えているのかもしれません。

でも私にとっては真実です。

なので、私に見えているのは違う、という方は、ご自分の記録を発信してほしいです。

そして、私の書いてる事は本当かな、と思われたら、ぜひ調べてみてください。

 

明らかに間違ってるところがあったら、教えてください。

でも、そうでないところは、ご自分の目で、ご自分の心で、確認して欲しいです。

 

間違った愛情 死に至る思いやり

刀剣乱舞を擁護されている方の中には、大変知識も教養もおありで、何故こんな方があんなゲームを擁護されているのだろうと疑問に思う方もおられます。

 

自分が今楽しみたいから、それを邪魔されたくないから、ただそれだけのたかがゲームに面倒くさいから、「どこでもやってる」「よくあること」「法的に問題なくなったって公式が言ってる」と擁護するユーザーにはそういう方が多いのだろうとは思いますが、それだけでは説明のつかない方もたまにおられます。

 

個人的には根がとても優しい方なのではないかと思うのです。

ご自分の周りの、同じゲームが好きな、苦しんでいる現ユーザーの方の救いになれば、と、救世主のような擁護論を理路整然と語り、それに救いを見出すユーザーの方も多いのだと思います。

ここに、自分たちを受け入れ、肯定してくれる心強い味方がいる、と。

 

でも、長い目で見ると、それは本当の味方ではありません。

刀剣乱舞を擁護する事は、長い目で見れば、自分達の様々な大切な権利を自ら踏みにじるのと同じ事だからです。それは、一見甘い、実のところ死に至る罠なのです。

本当の救いはそんなところにはないのです。

 

先のような、知識も教養もおありの刀剣乱舞の擁護者の方の文章は、一見理にかなっているようで、大抵一番大事な「被害者」という視点が抜け落ちています。

私が拝見した限りでは、ほとんどがそうです。

 

現在までの盗用、著作権侵害の多くの事例は、企業から企業が、というものでした。

近年ではハイスコアガールというスクエニの漫画作品で、SNKのキャラクターを無許可で使用して、コミックスが回収になった例などがあります(2015年和解が成立)。

 

しかし、刀剣乱舞の盗用は、企業からはもちろん(!)性質の悪い事に個人レベルのブログなどからもありました。オリンピックロゴの盗用疑惑から派生した一連の盗用疑惑などでも、一般人の作品からの盗用も見られましたね。

さらにそれはほかならぬユーザーが見つけたもので、ユーザーの方には、ログインしていただいて、ニトロプラス公式のお知らせやツイッターで当時の情報を確認していただければと思いますが、そもそもそこには、「盗用」という文字すらありません

謝罪があったかどうかすら確認されていません。

「謝罪がありました」と証言してくださったのは水墨画の画家の先生ですが、それすらもご本人のツイッターでの発言で、公式の情報ではないのです。そもそも、そこからの盗用があった事すら、公式は一言も言っていません。

そして、その対応は、企業としては言語道断で、信用を失うに足る、むしろ余りあるものです。

 

しかし刀剣乱舞は今も存在する、それは刀剣乱舞が「良いもの」だからではなく、今もログインし続ける、ユーザーがいるからなのです。情けない事に、消費者である私たちが、私たちのような一般の個人から盗みをして、謝罪すらしたかどうかも分からない会社にせっせと貢いでしまっているのです。

 

数年後の事を考えてみましょう。

そんな事が当たり前におこる社会になって欲しいですか。

今回は自分の好きな、楽しみなゲームでおこった事だから赦せるとしても、ご自分が全く興味のないものに、ご自分の撮った写真、描いた絵、文章などが無断で使われたら、さすがに嫌だと思いませんか。

そしてそれが発覚して、「こんな事があった、ゆるせない!」と声を上げてみたら、「みんなやってる」「使ってもらえたんだから光栄に思え」などと言われてどう思いますか。

 

そして、親告罪だから、「著作権者本人が訴えないんだから問題ない」と言われたらどうでしょうか。ご自分の生活がある中で、訴訟を起こす事はできますか。それはそんな簡単な事ですか。

とても厄介なことに巻き込まれた、自分は被害者だと思いませんか。

 

刀剣乱舞を支持するのは、そういうことが自分に起こっていいよと認めているという事です。

目先の楽しみでなく、今は心が痛んでも、どうか数年先の事を、お子さんがいらっしゃる方はお子さんの為にどんな社会を残したいかを考えて行動していただきたいです。

たかがゲームに大げさとは考えないでください。

そんなたかがゲームでも、それは多くの人や企業の利権の下にあるもので、夢の世界のものではありません。逆にそんなハードルの低いものだからこそ、現実に人間の権利を侵害する事はいとも簡単なのが恐ろしいのです。